第168章 治療

電話がつながった瞬間、神野孝峰の怒鳴り声が濁流みたいに押し寄せてきた。

「神野若芽! 今どこにいる! いますぐ周防ほしを返してこい! ほしに何かあったら、お前どう責任取るつもりだ!」

神野孝峰は言えば言うほど頭に血が上っていく。

神野若芽はソファに横向きに寝転び、目の前のテレビを眺めたまま。

「神野若芽!!」

今度の一声は、部屋の空気が震えるほど大きい。

叫び終えた直後、神野孝峰は激しく咳き込みはじめた。どれだけ力任せに怒鳴ったかが分かる。

神野若芽は眉をひそめ、受話器を耳から少し離す。鼓膜がじんじん痛い。

「ほしが元気になってから」神野若芽は淡々と言った。

もともと怒りで...

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