第176章 彼女こそ伝説級の棋士

神保淵はすでに少し先まで歩いていた。おそらく、例の「伝説級の棋士」と合流するつもりなのだろう――神野唯臣はそう踏んだ。

伝説級棋士がどんな人物なのか、正直、気になって仕方がない。神野唯臣はその背を追い、足を速めた。

前を行く神保淵が背後の足音に気づき、ぴたりと止まって振り返る。

「神野殿。好奇心は、ほどほどに」

「……失礼しました」

神野唯臣は短く詫びると、その場を離れた。

神保淵は指定された場所へ到着したが、そこに「伝説級」らしき人物の姿はない。

もう一度メッセージを送ろうとした、そのとき。

背後から、若い少女の声がした。

「ここ」

「……?」

神保淵が訝しげに振り向...

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