第186章 新しい楽しみ

神野若芽は、大西鶴が筋金入りの茶好きで、生涯ただ茶だけを愛してきた男だと知っていた。

「弟子は取らない」

大西鶴は、今にも泣き出しそうな顔で神野若芽を見つめる。

――やっぱり、そうなるよな。

「でも、時間があるときなら教えてあげる」

その言葉を聞いた瞬間、大西鶴は感極まって、危うく嬉し泣きしそうになった。

「……まだ、お名前をうかがっていませんでした」

そういえば、神野若芽がここへ来たとき、茶道を習いたいと言っただけで名乗っていなかった。だから彼女が去ったあと、探そうにも探しようがなかったのだ。

「神野若芽」

名を告げると、若芽は阿部先生へ視線を向けた。

「次、あなたの番...

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