第193章 メアリー先生

権田真鳥の眼が、すっと沈んだ。

寺内七造も、今の権田真鳥の胸中に小さな疑念が生まれているのを見て取る。

「爺、いっそ……ドア、ちょっとだけ開けて覗きます?」

寺内七造は部屋の扉を指さして言った。

権田真鳥は薄い霧眉を寄せる。

盗み見など、君子のやることではない。

――だが、正直なところ、気になって仕方がない。

寺内七造は権田真鳥のわずかな表情の揺れを見て、ぺろっと舌を出した。心の中で毒づく。

(俺より見たがってるくせに。ほんっと、めんどくさいツンデレだな)

寺内七造は忍び足で周防ほしの部屋の前へ行く。

鍵はかかっていない。そっとノブをひねり、扉を指一本ぶんだけ開けた。

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