第195章 どうして急に強くなったのか?

「適当でいいよ」神野若芽は碁盤から黒石をひとつつまみ上げた。

「聞いてくれよ! 俺、囲碁はまだ始めてそんなに経ってないけどさ、頭の回転で勝負するタイプなんだよ。だからお前もちゃんと本気で打てよ! あと、俺は手加減しねえからな!」

寺内七造はそう言って、白石を置いた。

「パチン——」

神野若芽の指先から、黒石が間髪入れずに落ちる。

「ん?」寺内七造が目を丸くする。

早くないか?

その気迫に呑まれ、数秒ほど固まってから、寺内七造は碁笥に手を伸ばした。白石をひとつ取り、盤面をぐるりと見回して——。

置く。

パチン——

神野若芽が、また置いた。

「!」

寺内七造の背筋がぞわり...

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