第199章 ワンコ系男子

「……約束、したの?」

神野若芽が、はっと顔を上げた。

その瞳からは、いつもの鋭さが消えていた。刺すような冷たさもない。氷壁みたいに他人を拒む気配も、今はどこか遠い。

代わりに滲んでいたのは、かすかな甘さと、言葉にできない複雑な色。

若芽はそのまま権田真鳥を見つめ続けた。真鳥の耳がみるみる赤くなり、気づけば白米を三杯も平らげていた。

……。

小正月の夜。

日が落ちると、川市第一中学は提灯や飾りで華やぎ、校内のあちこちに祭りの浮き立つ空気が満ちていた。小正月祭り――そんな名前の行事らしい。

周防朔明はこの学校の生徒ではない。それでも来たのは、友だちに誘われたからだ。

そして、...

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