第206章 光芒万丈の彼女

周防朔明は、神野若芽の歌声の美しさを言い表すのに、ふさわしい詩句のひとつすら見つけられないほど打ちのめされていた。

まさか彼女、拳が強いだけじゃない。歌まで、こんなに上手いなんて。

権田真鳥は最初こそ、ただ若芽の歌に聴き入っていた。だが途中から、客席のあちこちで彼女を見つめる視線が、熱に浮かされたみたいに濁っているのが目に入る。

その瞬間、霧のように長い眉がきゅっと持ち上がり、眉間にわずかな苛立ちが宿った。

……ほらな。こいつは、いずれ眩しいほどに輝く。

そして、狙うやつも増える。

正直、うっとうしい。

とくに、隣に座ってるあの男子――。

殴りたくなる。

ステージ上では、一...

ログインして続きを読む