第22章 半田社長は忙しい

半田虹の本当の素性はかなり謎に包まれていて、いまだに誰もはっきり掴めていないらしい。裏にはさらに“上”がいる、なんて噂まである。

いま皆が必死になってユニバーサルと組もうとしているのも、その看板さえ手に入れば、ひとまず安心できるからだ。これから先の業績だって、そうそう心配しなくて済む。

そんなふうに二人が話していると、少し離れた場所のエレベーターが「ピン」と音を立てて開いた。

中から、ひとりの影が出てくる。

神野唯臣が眉をひそめ、遠ざかっていく細い背中を見ながら言った。

「父さん、あの人……孤児院から戻ってきた神野若芽に、似てない?」

神野孝峰はもともと苛立っていた。とりわけ神野...

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