第234章 傷を負いながら決勝戦に進出する

寺内七造は、神野若芽には到底ごまかしきれないと悟り、苦虫を噛みつぶしたような顔で通話をつないだ。

神野若芽は先に周防ほしへ電話をかけていた。ソファにもたれ、淡々と言う。

「試合が終わったら帰るから」

「お、おう……」

寺内七造は反射的に返事をして、慌てて自分の口を手で押さえた。

「……今の、寺内七造?」神野若芽が眉を寄せる。

「へへっ、耳いいっすね。俺が一言返しただけで分かるんすか?」

「ほしは? なんであんたが出るの」

周防ほしは、滅多に他人にスマホを触らせない。例外は彼女だけだ。

寺内七造は、酔いつぶれている周防ほしにちらりと視線をやり、心の中で叫ぶ。――今日の件だけは...

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