第34章 しつこい

教室は一瞬で静まり返った。

生徒たちは顔を見合わせ、息をのむ。

須藤リリは言葉に詰まった。神野若芽がカンニングしたと断言できるだけの決定的な証拠がない。

だが自分は教師だ。賭けをした以上、負けは負け――とはいえ、本当に土下座して謝るなど、できるわけがない。

そんなことをしたら、ここに居場所なんてなくなる。

だからこそ、この場をどうにか丸め込まなければならなかった。

恥をかくのは、自分なのだから。

「……カンニングかどうかなんて、あなた自身がいちばん分かっているでしょう。先生も、そこまで追い詰めるつもりはありません」

須藤リリはそう切り出し、諭すように続ける。

「正直、地方か...

ログインして続きを読む