第40章 ステーキを食べる

芳賀夫人は神野若芽をちらりと見た。肌は白くて清潔感がある。田舎者には見えない――けれど、育ちは田舎だ。所作までは上品じゃないだろう、という先入観が拭えない。

松本萬里の表情が、ほんのわずかに強張った。相手のその言い回しで「自分の娘」を評されるのは、正直好きではない。

「顔立ちはあなたに似てるわね。羨ましいわ。家に『三輪の花』が揃ってるんだもの、萬里。あなた、人生の勝ち組じゃない?」

芳賀夫人は鼻先を指で軽く覆うようにして、くすりと笑った。

「芳賀奥様ほど幸せな人、いないでしょう。ご主人に手のひらで大事にされて、しかもお子さんも二人。冴白くんは格好よくて優秀、静くんは品があって素直。羨...

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