第51章 ピアノ曲一曲で、皆を驚かせた

「ご心配なく。必要ありません」神野若芽は淡々と言った。

「ふん、恩知らず」神野若帆は唇を尖らせる。

神野若芽だって、若帆と付き合うのは今日が初めてじゃない。――何を企んでいるかくらい、分からないはずがなかった。

「でもさ、どれだけすごくても100点満点なんて無理でしょ? だから今回の1位は、かな姉さんで決まり。あんたは参加するだけでいいんじゃない? そんな落ち込まなくてもさ」

慰めているようで、実際は嘲っている。若帆の言葉は、そういう匂いしかしなかった。

神野若芽は小さく笑って、「そう」とだけ返す。

発表会の最後の演目――いわゆるトリは、神野若芽の番だった。

本来、トリは一番い...

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