第52章 若芽さんは何でもできるね

神野若奈が味わっている喪失感は、想像するまでもない。ずっと自分が優勝をさらうものだと信じていたのに、ふたを開ければ「2位」。

――帰ったら、どうやって両親に顔向けすればいい?

彼女はこれまでずっと、両親の誇りだった。けれど神野若芽が現れてからというもの、若奈は「2位」しか取れなくなってしまった。

神野若芽が優勝したのは、誰もが納得する結果だ。異論を挟む者などいない。

一方、神野若帆は表向きこそ祝福の言葉を並べていたが、胸の内では奥歯が砕けそうなほど歯噛みしていた。

――今夜、若芽が1位を取るって分かってたなら、絶対にあいつのエントリーなんて手伝わなかったのに。

その夜、学内SNS...

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