第57章 彼女を信じている

権田真鳥は彼女に小さくうなずいた。胸の奥が、ふいに熱を帯びる。長いこと埃をかぶっていた何かが、指先で弾かれたみたいに震えた気がした。

わずかに眉を寄せ、それでも確認だけはしておく。

「……勝算はあるのか?」

なぜだろう。理屈ではなく、心の底から信じてしまっている。今の問いも、ただの手順にすぎない。

神野若芽は唇をきゅっと結び、落ち着いた声で答えた。

「九割。ですが、お爺さんはご高齢です。手術中の不測の事態は、誰にも読めません。最善を尽くします」

その言葉には、目に見えない安心感があった。自信が、声の芯に宿っている。

続けて若芽は看護師へ視線を向ける。

「お爺さんの検査結果、見...

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