第61章 神野孝峰の変化

最後まで聞いていられなくなった神野若芽は、ドアノブをひねって部屋に入った。

「……私の話?」

一斉に視線が集まる。

「あなたのことじゃなきゃ誰のことよ?」神野若帆が、逃げ道を塞ぐみたいに言い募った。「試験が終わった途端に姿消して、外泊までして。どういうつもり?」

「クラスの子と用事があっただけ。お母さんにも言ってある」若芽は淡々と返す。漆黒の瞳がふっと若帆を捉え、若帆の背筋がぞわりとした。

「へえ。誰が信じるの?」若帆は鼻で笑う。「自分のことだけじゃなくて、神野家の名誉ってものも考えたら?」

「神野若芽!」祖母が机を叩くような勢いで声を荒げた。「立ちなさい。いい気になるんじゃない...

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