第62章 平均点を引き上げたのは誰だ?

「うん」

神野若芽はこくりと頷き、淡く「うん」とだけ返すと、それ以上、竹内媛を構わなかった。

両腕を上へ伸ばし、ふっと身を伏せる。次の瞬間、机に突っ伏して目を閉じる。

――また寝るつもりだ。

竹内媛はすぐに察した。

神野若芽は教室に来て自分の席に着くと、ほとんど決まって机に突っ伏して眠ってしまう。周りで何が起きようと関係ない、という顔で。

寝る以外に、この子が「やりたいこと」をしているところを、竹内媛はほとんど見たことがなかった。

見慣れた光景とはいえ、竹内媛はやっぱり気になって声をかける。

「若芽、もうすぐ先生が成績発表するよ? 緊張しないの? 自分が何点だったか、気になら...

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