第71章 不人気だからって、外れとは限らない

「そいつだ!」

男二人は青ざめた。片割れのほうは考える間もなく、まっすぐ指を突きつける。

「お前だ!」

指された男は、目を見開いた。

――約束の「兄弟の情」ってやつはどこへ行った? ここまで薄情なこと、あるか?

視線が一斉に、その男へ刺さる。

「金沢の旦那、俺は……」

冷や汗が滝のように流れ、全身が震える。男は「どさっ」と膝をつき、声を張り上げて泣きついた。

「悪かった! 俺が謝らなかった、俺が――」

「俺に土下座して何の意味がある。謝る相手は神野嬢だろ」

金沢の旦那が、冷えた目で見下ろす。

「は、はい……神野嬢!」

男は怯えきって、膝で這うように神野若芽の前まで進み...

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