第97章 冗談だろう?

権田真鳥に言われたとおり、神野若芽はビルの中へ入った。受付で会社の食堂の場所を探す。

週末だから、服装はラフそのもの。安っぽいと言ってもいい。

片手に傘、もう片手に鶏スープの入った容器。気だるげな雰囲気が、きっちりした高級ビルの空気とどうにも噛み合わない。

当然のように、行き交う社員たちの視線が集まった。

受付の女性は、そんな格好の来訪者を見た瞬間、顔にうっすらと侮蔑を浮かべる。

「……どう見ても、うちの社員じゃない。ここ、誰でも入れる場所じゃないんだけど」

とはいえ仕事だ。受付は営業用の笑みを貼りつけ、ゆったりと若芽の前へ歩み寄った。

「いらっしゃいませ。ご用件をお伺いしても...

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