第99章 明らかに権田様が神野嬢を追っているのに

神野若芽も、そうだと思った。嫌いなことを、わざわざ我慢してまでやる必要なんてない。

篠崎世梨が本当に自分と仲良くしたいのなら、こんなことで根に持ったりしないだろう。

そう考えて、神野若芽は手を上げて髪留めを外し、そのままポケットへ戻した。

権田真鳥は、やはりこのくらいの神野若芽がちょうどいいと思った。これ以上飾れば、綺麗すぎて目立ちすぎる。

さっきスープを飲んでいたときも、社内の何人かが横でずっとこちらを見ていたのに気づいていた。

――鬱陶しい。

……

「神野若芽って、権田様を狙ってるの?!」

美人だと評判の女部長が、小窓に身を乗り出して外を覗き込む。

「鶏スープまで差し入...

ログインして続きを読む