第5章

西園寺古里視点

私はまだ、彼のことを愛しているのだろうか?

その問いが、一晩中私の頭の中で響き続けた。夜が明ける頃には、私はついに認めざるを得なかった。その答えを出すためには、すべての始まりの場所――私の人生を永遠に変えてしまった、あの地下室へ戻る必要があるのだと。

目を閉じ、記憶の波に身を任せる。

十歳になった夏、私はまだ「絶望」という言葉の意味を知らなかった。公園から男たちに引きずられた時も、目が覚めれば終わるただの悪夢だと思っていた。暗く湿った地下室に突き落とされ、重い鉄の扉が閉まる音を聞くまでは。その時初めて、私は理解した――ここが私の地獄なのだと。

地下室には...

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