第7章
十分が経っても、階下からの声はまだ完全に消えてはいなかった。
「まだ下にいるみたいだ」悠真が低い声で言った。「それに、翔真が誰かと揉めてる声がする」
私は悠真の腕を掴んだ。
悠真はこちらを振り返り、その瞳には守るという強い意志の炎が宿っていた。『もしあいつらが小鳥を傷つけようとするなら、俺は絶対に黙って見ていない。たとえ相手が兄貴だろうと、誰だろうと関係ない』
「下に行ってくる」彼が不意に言った。
「え?」私は驚いて彼を見つめた。
「君一人にこんな思いはさせられない」悠真の声は、普段とは違う固い決意に満ちていた。「下で何が起きていようと、俺自身の目で確かめる必要があ...
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