第7章

綾乃礼央視点

安物のカーテンから陽光が差し込む中、私は空栖の腕の中で目を覚ました。

彼はまだ眠っていて、その顔には満足げな笑みが浮かんでいた。今まで見た中で一番幸せそうな顔だった。私はそっと彼の胸を撫でる。心が満ち足りていた。

「おはよう」

彼が目を開け、純粋な優しさのこもった眼差しで私を見つめた。

「おはよう」

私は彼の額にキスをした。

しばらく静かにお互いを抱きしめ合っていたが、やがて真実を話す時が来たと悟った。

「空栖、話さなきゃいけないことがあるの」

私は深呼吸をした。心臓が早鐘を打っている。

「私の正体について」

彼の体がこわばった。

「どう...

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