第11章

 私たちの結婚式は、海城中を揺るがすほどの大騒ぎとなった。

 龍崎圭は、世界中の至宝という至宝をすべて私の足元にかき集めようとしていたようだ。

 私が身に纏うウェディングドレスひとつとっても、数十人の巨匠が半年かけて手縫いした逸品である。

 式場はまるで童話の世界のように飾り付けられていた。かつて私が何気なく、「おとぎ話が好き」と漏らした一言のためだけに。

 私が不注意でドレスの裾を踏んでよろけた時、龍崎圭は数百名の裏社会・表社会の来賓が見守る中、迷いなくその場に片膝をつき、裾を直してくれた。

 その瞬間、誰もが悟ったはずだ。

 海城で最も狂気じみた極道の御曹司が、完全に陥落した...

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