第12章

 結婚後の生活は、平穏で幸せそのものだ。

 龍崎圭の病気もずいぶん良くなった。

 たまにまだ甘えん坊で、私が離れていかないか不安がることもあるけれど、キスをしてあげるか、送金してあげれば、一瞬で機嫌が直る。

 彼は龍崎家のグレーな事業のほとんどをホワイト化し、専門の経営者や腹心に任せた。自身は徐々に裏社会から足を洗い、今では専業主夫兼私の専属アシスタントに収まっている。

 毎日の送迎に、食事の支度、出張への同行までこなす日々だ。

 裏社会の人間たちは、彼を「恐妻家」だと笑い、一代の傑物がただの家庭的な男に成り下がったと噂した。

 だが彼は、得意げな顔で言い返すのだ。

「お前らに...

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