第8章

真琴の顔に浮かぶ驚愕と怒りを、私は何の感情もなく見つめていた。

この瞬間を、何年も待ち望んでいた。だが今、真実を知った彼の苦痛を目の当たりにしても、私の心は空虚なだけだった。

「俺が……彼女を殺した? 俺が絵里花を殺したって言うのか?」真琴の声は震えていた。

美沙はベッドから起き上がると、さりげなくガウンを羽織った。その勝ち誇ったような笑みは、八つ裂きにしてやりたいほどの衝動を私に抱かせる。

「そうよ、あなた自身のその手で殺したの」美沙は真琴の方へ歩み寄る。「もっと聞きたい? 全部教えてあげる」

真琴は血管が浮き出るほど拳を固く握りしめたが、どうにか自分を抑え込んだ。「...

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