第24章

不二奏はそれを聞くなり、反射的に両腕を交差させて胸元をガードした。――いや、違う。何かが違う。そう思った次の瞬間、今度は慌てて股間を押さえる。

「っていうかさ! だからここ何年も俺にやたら優しかったのかよ! 俺が何言っても全部『いいよ』って! 司、お前……まさか、そっち方面の趣味あんの?」

「俺、ノンケだからな! お、お、お前、変な想像すんなよ!」

神崎司は相手にする気すらない。来るときにノイズキャンセリングのイヤホンでも持ってくればよかった、と心底後悔した。

三十秒ほどの沈黙。

不二奏はひとりで勝手に葛藤した末、頬を赤くしながら、もじもじと口を開く。

「……でも、どうしてもって...

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