第26章

手塚直哉は慌てて老人の身体を支え、腑に落ちない顔で言った。

「父さん、これは先方のご厚意だろ。いったいどうしたんだよ」

手塚和也も、取り繕うように口を挟む。

「きっとこの贈り物には別の意味があるんですよ。縁起のいい言葉が隠れてるとか。年配の方って、そういうの好きじゃないですか」

頭は回らないくせに、口だけは達者だ。

「初夏はな……昔、いつかこの絵を私に贈ると約束していた」

手塚宗一郎は胸元を押さえ、目に深い痛みを滲ませた。

「初夏がいなくなってからの四年、その話題を私は一度も口にできなかった。言ったら……耐えられなくなる気がしてな」

「偶然にせよ、何にせよ。君がこの絵を持って...

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