第35章

手塚家の客間。

「ママ、着信のブロック設定、もう入れといたよ」

プリンがスマホを差し出し、行儀よく言った。

「連絡先に入ってない番号からの電話は自動で弾く。回数制限を超えたら、相手のアカウントも凍結できる」

「ありがとう、プリン」

桐生初夏は息子の鼻筋を指でちょんとつつき、くすっと笑う。

「うちのプリン、ほんと小賢しいこと思いつくよね。こんな意地悪な手まで」

「ママ!」

プリンはむっとしたふりで頬をふくらませた。

「はいはい、冗談。ありがと、ママの宝物」

初夏は笑ってプリンのほっぺを軽く揉み、柔らかい声で礼を言う。

「朝飯前だよ」

プリンはぱちっと瞬きをして、瞳の奥に...

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