第46章

プリンは小男の襟首をぐいっと掴み、氷みたいに冷えた目で睨みつけた。

「妹に謝れ」

こいつ、見覚えがある。

朝、教室に入った瞬間からどこか引っかかっていたが、今ようやく思い出した。手塚宗一郎の寿宴で顔を合わせたガキだ。名前は勝己。ママの従姉妹、手塚蘭の息子。

「なんで謝るんだよ。オレ、間違ってないし!」

勝己はプリンの迫力にびくっとしたくせに、口だけは強情だった。

手塚蘭が、桐生初夏とその子どもたちの悪口を散々吹き込んでいた。萌々が喋れないことも知っていて、だからわざと――。

「朝からずっと、桐生萌々は一言も喋ってない。どう見ても、口がきけないか、バカかだろ」

プリンの視線が、す...

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