第50章

神崎司の瞳の光が、ふっと明るくなったかと思えば、次の瞬間には沈む。感情の底が読めない。

今日、桐生家で起きた諸々を思い返すたび、神崎司の桐生家への嫌悪はさらに濃くなっていった。

これまで桐生麻衣に対して、どれほど腹が立っても目をつぶってきた。――ただひとつ、彼女が自分の息子の生みの親だから。

だが今となっては、その肩書きすら与えるに値しない。

桐生初夏は鼻で笑った。

やっぱり。自分の予想は当たっていた。神崎司は本気で、あの女を息子の「新しい母親」に据えるつもりなのだ。

さっきまで、ほんの少しだけ見直しかけていたのに。

その瞬間、初夏の態度は一気に冷えた。視線にも、露骨な軽蔑が混...

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