第69章

桐生初夏はその甲高い声にぎくりと足を止め、怪訝そうに顔を上げて、ようやく目の前の男が誰かに気づいた。

「こんな所で会うなんてな。俺たち、よっぽど縁があるらしい」

久野敬志は興奮を隠しきれない様子で、桐生初夏を上から下までねっとりと舐め回すように見た。

彼女は先ほどの発表会で着ていたタイトなスーツスカートのままで、そのメリハリのあるプロポーションがくっきりと浮かび上がっている。働く大人の女の魅力と色気が匂い立つようだった。

久野敬志はたまらず生唾を飲み込んだ。

「J市なんて狭いんですから、すれ違う人なんて星の数ほどいますよ。その全員と縁があるとでも?」

その視線に気づき、桐生初夏の...

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