第89章

「そうだよ。お前、桐生初夏がHNの教え子かって聞いてきただろ?」

ビルはちんぷんかんぷんといった様子だ。

「うわ、もしかして彼女がHNだと思ってたのか? ありえないって! 全くの別人だよ!」

先ほど送信したばかりのメッセージを一瞥し、神崎司は眉間を揉みほぐした。

なぜメッセージには送信取消機能がないのか。

だが幸いにも、桐生初夏からの返信は一切ない。見ていないのか、それとも別の理由か。

神崎司としては、見ていないことを願うばかりだった。

「分かった。だが、お前がいつHNに会えるって? まだ夢でも見てるのか」

彼は冷ややかな声で言った。

「桐生さんが約束してくれたんだよ。彼女...

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