第百一章 翌朝

目が覚めた瞬間、エララは身体を起こした。

視線を落とす。見知らぬ浴衣を着ていた。襟元が少し乱れ、寝具はぐしゃぐしゃで、枕は斜めにずれている。手首を確かめ、襟を確かめ、ベッドの状態を確かめる——心臓が、すとんと沈んだ。

これ以上の証拠は要らない。

昨夜、何が起きたか。もう分かりきっていた。

断片が浮かんでくる。バー、薄暗い照明、全身を焦がすような熱、意識が溶けていく感覚、そして暗がりの中から近づいてくる長身の影——

あの灼けるような熱さ。あの無意識の動作。あの言葉、『助けて』——

エララは大きく息を吸い、目を閉じ、すぐに見開いた。

手を伸ばし、颯真の頬を思い切り張った。

乾いた音...

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