第五十七章 礼盒与沉默

澄花がその知らせを受けたのは、翌朝のことだった。

颯真が自ら温音を鎌倉の屋敷まで送り届けた——その事実が、静かに彼女のもとへ届いた。

澄花は鏡台の前に座り、口紅を手に持ったまま、動けずにいた。鏡の中の自分は化粧が途中で止まっている。その目に宿るものを、澄花は自分でも認めたくなかった。

口紅を置き、マネージャーに電話をかけた。


電話口での声は、すでに平静を取り戻していた。

「七年前のあの件、リパッケージして。時間軸は遠山徳栄画協のイベントより前に設定して、エンタメ媒体で先にひと回り情緒を撒いておいて」

マネージャーが一瞬躊躇した。「お嬢様、あの件からもう……」

「わかって...

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