第六十三章 それぞれの夜明け

事務所の会議室で、マネージャーはレポートをテーブルに広げ、険しい顔をしていた。

「このまま放置すれば、雑誌社が抑えているネタがいつか全部出てきます。そうなったら、芸能生命は終わりです」

澄花はうつむいたまま、そのレポートを見つめ、奥歯をそっと噛みしめた。

どんな黒い話が眠っているか、誰よりも自分がわかっている。

「……わかった」

声は、歯の隙間から絞り出したようだった。

「まず藤瀬さんの弁護士に、初期的な接触の意向を伝えてください」マネージャーは言葉を選びながら続けた。「誠実な姿勢を見せて、相手が交渉の席に着く気になるよう」

「どうすればいいかくらい、わかってる」

澄花はそれ...

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