第八十章 灯下

「妹、その腕時計——」

時雄が目を細めた。

「俺も同じの持ってる!」

心音は手首をカメラに近づけた。文字盤の小さな星の模様が、画面の中でちかちかと光っている。

「ほんと?」

「ほんとだよ。」時雄の声に、少し悔しそうな色が混じった。「意地悪なおじさんに隠されちゃって、見つけたらこっそり電話する。」

心音の目がぱっと輝いた。腕時計をさらに高く掲げ、番号を一つ一つ読み上げる。時雄は向こうで二度繰り返し、自分の記憶力にご満悦といった様子で小さく鼻を鳴らした。

二人はひそかに約束を交わした。

画面の中で、心音は両手を振りながら、どんな絵を描いてあげようかと話していた。小さな顔が興奮で赤く...

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