第八十六章 静寂の中で ---

アトリエの沈黙は、長く続いた。

颯真の表情は、その一灯の明かりの中で、何と形容すればよいのか分からなかった。怒りでもなく、かといって純粋な後悔でもなく、二つのものが入り混じって、出口を失っていた。

先に動いたのは、温音だった。

最後の筆を筆立てに収め、雑巾を手に取って指先を拭う。その動作は静かで淡く、まるで今しがたの言葉などは、空気に向かって言い放っただけのようだった。

「疲れました」

声は、いつもの平静さを取り戻していた。

「颯真さん、もうお帰りください」

颯真は彼女の横顔を見つめ、口を開きかけて、何も言わなかった。

そして彼は、立ち去った。

扉の閉まる音は、ひどく静かだっ...

ログインして続きを読む