第5章
マーカス視点
俺はキッチンに立ち、手の中にある忌々しいヘアゴムをじっと見つめながら、デライラが入院してからの日数を頭の中で数えていた。二十一日。丸三週間、毎朝同じ試練に直面している――娘の髪を編むことだ。
「パパ、大丈夫?」
アイリスはキッチンのテーブルに座り、小さな両手を膝の上で綺麗に重ねて、俺が髪を編んでくれるのを待っていた。
「ああ、もちろんだよ、アイリス」俺は咳払いをして、彼女の後ろに回った。「パパはただ……どうやったら君の髪をもっと可愛くできるか考えていたんだ」
実のところ、どうしてこんな単純な三つ編みすらまともにできないのかと、自分自身に苛立っていただけだった。
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