第130章 謝れ

「……うん」

 俺は適当に返事をして、彼女の背後にいる瀬川廷海のほうへ歩いた。

「瀬川さん、父が上でお待ちです。お二人とも、どうぞ――」

 瀬川廷海は小さくうなずいただけで、背後の石川雲には目もくれず、そのまま階段へ足を向けた。

 石川雲は俺を一瞥し、にこにこと笑う。

「良介じゃないか。久しぶりだな」

「……はい」

 遅れて瀬川雫が、おずおずと近づいてくる。俺を素早く見て、か細い声で言った。

「良介兄さん、またお会いしましたね。本当なら今日は来るべきじゃなかったんですけど、でも私……」

 言い終える前に、瀬川香織が割って入った。雫の肩を乱暴に押しのけ、鼻で笑う。

「どきな...

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