第139章 覚めない

彼女がどうしても二階へ上がると言い張るのを見て、私は途端に警戒心を強めた。

今日は瀬川香織の婚約披露という晴れの日だ。けれど、だからといって――あの人たちが私に手を出さないと断言できるほど、私は甘くない。

ただ、もし本当に狙われているのだとしたら、逃げ回っているだけじゃ解決にならない。

それに、祖母が私を狙っているのなら……父にも、あの人の本性をはっきり見せるいい機会になる。

そこまで考えて、私は小さく頷いた。

「いいよ。そんなに二階へ行きたいなら、私が一緒に行く」

私が承諾すると、祖母はようやく満足げに口元を緩めた。

そして、いかにも当然という顔で手を上げる。

「じゃあ...

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