第15章 デートしよう

私は唖然とした。こいつ、何を寝ぼけたこと言ってるの?

「あなたとデートなんて、するわけないでしょ。私、彼氏いるんだから!」

言い終えるより早く、唇に指が当てられた。神崎倫司の指。

一気に顔が熱くなる。反射で身を引いたけど、背中は車のドア。逃げ場なんてない。

驚きと怒りが混ざって声が震えた。

「……なにするの?」

「次にもう一回、そいつの名前を出したら。お前の唇に乗るのは指じゃなくなる。……わかるよな?」

そう言いながら、さっき私の唇に当てていた指を引っ込め、自分の唇へと添える。

「覚えた?」

脅しなのに、妙に人を惑わせる仕草。心臓がぞわりと震えた。

この人、狂ってる…...

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