第150章 手を出すつもりか

私があまりにも真剣な顔で、いかにも誠実そうにしているせいで、正井春斗は顔をしかめ、少しむっとしたものの、こちらに手出しはできないらしい。

上田広本が目の前の料理を平らげ、満足げに「げふっ」と腹を鳴らしてから、腹をさすりつつ立ち上がろうとした。

私はその手を押さえ、横目で一瞥する。

「それ、まだ前菜よ。いいのはこれから。もう少し味わっていかない?」

それを聞いた上田広本は一瞬きょとんとし、すぐに理解したように頷いた。

「せっかくのご馳走ですしね。座って、ほかのもいただきます」

そう言って箸を取り、また卓の料理へと伸ばす。

「瀬川凪紗! 何してんのよ。わざとでしょ!」

瀬川雫がつ...

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