第156章 話し合いの余地はない

神崎倫司はそう言って私の手を引き、立ち去ろうとした。けれど数歩も進まないうちに、また人垣に塞がれる。

「神崎さん、その発言はどういう意味ですか? ネットの記事は全部デマだと?」

「瀬川さん、コメントをお願いします!」

私は神崎倫司の腕の中にしっかり庇われ、記者たちは私に直接近づけない。

それでもこちらが正面から答えないと見るや、周囲に集まる人数は増える一方だった。フラッシュがカシャカシャと鳴り止まず、私たちは一歩も動けない。

「下がってください! 囲まないで! 下がって!」

展示エリアの警備員の怒号が飛び、ようやく私たちは人波から救い出された。

外へ出ると、神崎倫司に守られるよ...

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