第160章 乾杯

「まったく、あの記者たち、やりすぎよ! どうしてあんなデタラメ書けるの!」

 階段に差しかかったところで、母の苛立った声が飛んできた。

 ――やっぱり、もう目にしたんだ。

「気にしなくていいよ。騒ぎなんて、熱が冷めれば終わるから」

「よくないわよ。影響を受けるのはあなたなんだから!」

 母はスマホの画面を指で叩く。

「ほら見て。『あなたが瀬川香織をいじめた』ですって。無責任にもほどがあるわ!」

 そこまで怒る母が可笑しくて、私は肩をすくめる。

「記者なんて、隙があれば何でも嗅ぎ回るし、盛って盛って大げさにするのが仕事でしょ。そうでもしないと読まれないんだから」

 私は母のス...

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