第168章 帰ってきた弟

村上由里はうなずいて応えた。

「はい、瀬川さん」

用件をきちんと伝え終えてから、私はようやくその場を離れた。

村上由里は長いこと私のそばで動いてくれている。頼りになるし、彼女に任せれば安心だ。

父のオフィスに着く頃には、ちょうど父も手元の仕事を片づけ終えたところだった。

私は帳簿の確認について一通り話す。父はうなずく。

「今までは法務がやってたが、会社が大きくなるにつれて法務の案件も増えた。結果、もう一年以上、帳簿を見てなかったんだろう。確かに一度洗い直すべきだな」

「財務だけじゃなくて、ほかの帳簿も順番に確認します。念のためです」

私の言葉に、父はもう一度うなずいた。

「...

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