第169章 君にあげよう

「先に目を閉じて。私が三つ数えたら、開けてね」

瀬川香織はそう言うなり、せかすように瀬川陸斗へ目を閉じるよう促した。

「はいはい」

瀬川陸斗は素直に目を閉じる。

「3、2、1……はい、見て。これ、なーんだ」

香織が彼の目の前に、スポーツカーのキーをひらりと掲げた。

「お姉ちゃんがスーパーカー用意してあげたの。ほら、気に入った?」

「え、マジで?」

陸斗はキーを受け取り、顔いっぱいに喜びを広げる。

「相当するだろ。ありがとな」

「何がありがとなのよ。私たち、実の姉弟じゃない。どっかの誰かみたいに口だけじゃないし、変な安物の時計で誤魔化したりもしない」

その一言で、私と瀬川...

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