第172章 監視してくれ

翌日、出社するなり法務部に指示を出した。宮本グループへの督促を、さらに前倒しで進めるように――。

ひと通り連絡を終えた、その直後だった。

ふいに、見覚えのない番号から着信が入る。

通話ボタンを押すと、受話口の向こうから男の声がした。聞き慣れないのに、妙に馴れ馴れしい。

「瀬川さん。お変わりありませんか」

眉が寄る。

「……どちらさまですか」

「俺の声、忘れたわけじゃないだろ」

軽薄で、遠慮の欠片もない笑いが混じる。

「神崎東拓だよ」

――神崎東拓。

名前を聞いた瞬間、胸の奥がすっと冷えた。

「神崎さんに私の番号を教えた覚えはありません。どこで手に入れたんですか」

「...

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