第175章 心配か?

神崎東拓のほうへ視線を向ける。

「まさか、瀬川グループが私に頭を下げさせなきゃ回らないところまで落ちたとでも思ってるの?」

「……どうやら瀬川さんは飲む気がないらしいな」

神崎東拓はそう言いながら手を伸ばし、酒杯を自分の正面へくるりと回した。

杯を持ち上げ、鼻先で香りを確かめるように嗅ぐ。

「瀬川さん、本当にこの顔を立てるつもりはないってことか?」

私は彼を睨み、鼻で笑った。

「今日ここに来て、あなたと同じ席に座ってあげたのは――あなたのお兄さんの顔を立てたからよ。じゃなきゃ、あなた程度の面子で私がわざわざ来ると思う?」

「……っ、てめぇ!」

神崎東拓は酒杯を握り締め、手の...

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