第181章 偶然

「ほら、あっち……私の記憶違いじゃなければ、昔は湖があったはずなんだけど。今じゃ高層ビルだらけだね」

私は笑いながら、遠くの建物を指さした。

「凪紗の言うとおりだ。俺もその湖、覚えてる」

瀬川陸斗は楽しげな顔で言う。

「冬にさ、ここ来たことあっただろ? あの湖の上、凍ってて……俺ら、氷の上で滑ったんだよ」

「そんなこと、あったっけ?」

首をかしげると、

「あるって」

陸斗は大きくうなずき、記憶を引っ張り出すみたいに続けた。

「誰が連れてきたかは忘れたけどさ。俺と姉ちゃんと凪紗、三人で湖の上で遊んでたんだ。姉ちゃん、何回も転んでさ、悔しくて泣きながら帰って母さんに言いつけて…...

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