第195章 抱き合う写真

「瀬川社長……」

 瀬川陸斗は、こちらに気づくと妙に堂々と会釈してきた。

 父は軽くうなずいただけで、何も言わない。私は一歩前に出て、探るように尋ねる。

「これは……どういう?」

 すると上田広本が、瀬川陸斗より先に口を開いた。

「いやぁ、陸斗が『取引先の荷を現場で見たい』って言いましてね。それで俺が付き添って来たんです」

「荷に問題でも?」

 私の問いに、瀬川陸斗は焦りもせず、淡々と答えた。

「ありません。全部、正常です」

 言い終えると、彼は父へ向き直る。

「瀬川社長。それじゃ、俺たちはこれで」

 そう言って、上田広本の肩を軽く引くようにして、そのまま去っていった。...

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